たまに、夕暮れの住宅街を歩くことになったりすると、家のあちこちから家族団欒の声や、晩御飯のおいしい匂いが漂ってきます。僕は一人なものだから、その世界とは関係ないように振舞うのだけど、なぜか少し切ない気持ちになります。
時間は残酷でもあり、誰にでも平等であり、誰にも時間を操ることができないものです。確かに、自分にもそんな時代があったなぁと思いながら、空を眺めています。あなたのことを考えながら。懐かしむって悪いことではないですよね?だって、いつか心の中が穏やかになれば、もう僕の隣に存在することのないあなたが、僕の心の中で微笑んでいます。そして、僕は空を眺めて、また歩き出します。また、手紙を書きます。誰にでもない宛名のない手紙を。